Monday, February 9, 2009

ブレーズ・パスカルについて


ブレーズ・パスカル(1623−62年)西欧の偉大な思想家、数学者、物理学者、発明家、著述家、宗教的思想家として優れた人物であった。フランスのクレルモンで生まれたパスカルは、少年期に機何学や微積分に独創的な貢献をした。後年、確率の理論を練り上げている。19歳の時、現代まで計算機の基礎であった回転板の原理を用い、最初の計算器を発明した。物理学でも、「パスカルの原理」は、現代のあらゆる水力利用装置を可能にする原理を提示している。最初の腕時計の発明、最初のパリ市内のバス路線設計もパスカルであると信じられている。
神密的な体験をしたパスカルは、1654年、クリスチャンになった。彼はその体験の詳細を1枚の羊皮紙に書き記し、自分のコートに縫い込んでおいた。妹のジャクリーヌを通して、パスカルはヤンセン主義者と交流を持った。1657年、彼は「田舎の友への書簡」(プロバンシャル)を出版した。アウグステイナスの恩寵論を再び強調するよう求めたカトリック教会内のヤンセン主義者を指示するために書いた、皮肉と風刺傑作である。
1658年頃、パスカルは「キリスト教の弁明」の執筆に取りかかった。しかし、その完成を見ることなく、39歳で世を去った。残されたすばらしい草稿は、後に「パンセ(瞑想録)」と言う題で出版された。これは文学的にも弁証学的にも名作である。デカルトの合理主義とフランス人モンテーニュの懐疑論に反対し、生きたキリスト教を弁護している。
パスカルは、「神を知ることができるのは、イエス・キリストを信じる信仰によってであり、また、その信仰自体が神から与えられるものである」と書いた。人間にとって、神が必要であることは、神から離れた人間の悲惨な状態を見れば明白である。神は、信仰によってのみ知ることができる。成就した預言、奇跡、歴史の証言、聖書の自証など、信仰を支える証拠は十分あるが、「心は、理性の知らない、それ自身の理性を持っている」とパスカルは書いている。[ポール・M・ベクテルより]